No.006 NTT101

・1985年発売
・総重量3kg
・通称「ショルダーフォン」






おそらく一度は雑誌やテレビで見たことがあるであろう国産第一号の携帯電話です

当時の新規加入料金が約8万円、月額の基本料が3万円で通話料が6秒10円という恐ろしいほどの料金設定でした

こんなもん我々一般庶民は電話の内容よりも料金が気になって会話に集中できるはずもなく、当然のことながらお金持ちの人々しか持つことを許されない究極の携帯電話と言える代物でした

しかもお金がいくらあろうとただのお金持ちでは使いこなせません

なにせ総重量が3kgもあるもんですから、電話中は常にプチ筋トレ状態を強いられるため、肉体派のお金持ちしか使うことができなかったであろうことは容易に想像できます


しかも当時は現在と違い電波の状況が極めて悪かったため通話中に途切れることが日常茶飯事だったようで、NTTには多くのクレームが寄せられました

そしてここで取ったNTTの対応がすさまじい

なんと通話中に途切れた場合、そのときの通話料金はタダになるという、頭のネジが2、3本取れてるヤツが考えたんじゃねーかというような今では到底考えられないサービスを提供しました

こうなりゃ皆考えることはただ一つ

通話を終える頃ににわざと電波の悪い場所に行き強制終了

これで無料通話となるわけです

今にして言うならばNTT公認のタダパケみたいなもんですね

しかしさすがにこれは長続きせず、すぐに対応策がとられ無料通話は過去の話となってしまいました



その後1993年に携帯電話のデジタル方式のサービスを開始し、その後携帯電話の小型化や高機能化、低価格化に伴い爆発的に普及し、現在日本での普及率は約70%となっています

そして携帯電話は今や電話するだけではなくカメラや音楽、動画配信など、携帯電話という枠を超えてもはやパソコンの代替品ともなりえるところまで近づいてきました

しかし便利な一方で、携帯電話としてここまで多機能にする必要があるのかという矛盾もあります

余計な機能がなければ端末自体の値段も下げることができるでしょう

家族割り引きや学割もいいのですが、個人的には通話とメールができればいいので、高性能なものを高値で買うより余計な機能を省いて低価格で提供してくれたほうがよっぽどうれしいです

携帯端末が売れ行きが伸び悩む一方で、去年KDDIが発表した説明書の要らないケータイ「ツーカーS」がヒットしています

これだけの高機能化が進んだ中で余計な機能を省いたシンプルな携帯電話が売れていると言う現実は、携帯電話会社とユーザーとの携帯電話に対する捉え方の違いが見て取れるような気がします